省エネ住宅と吹き抜け
『吹き抜けのある住宅は、広々として気持ち良さそうだけれども冷暖房にコストがかかって不経済なのでは?』
こんな疑問をお持ちの方が、結構多くいらっしゃるのではないか。
僕自身、住宅の設計に関わって十数年の間、その疑問は常に抱えながら設計をしてきました。東京近郊で30坪前後の住宅を設計する上で、空間を有効に活用し限られたスペースの中で快適な生活空間を提案するには、吹き抜けの存在は欠かせない。しかし冷暖房の空調問題が・・・・
夏の冷房もさることながら、寒い冬に吹き抜けの空間の下で足下が冷えるのは我慢できない、やはり床暖房は欠かせない・・・・。といったジレンマでした。
しかし、断熱性能の高い断熱材で住宅全体をスッポリと覆い、隙間を無くした住宅、いわゆる『高気密・高断熱住宅』の中に、その疑問の答えがありました。ただし、一口に『高気密・高断熱住宅』と云っても、ただ単に住宅の断熱と気密性能を上げて住宅を造ればいいと言った事ではありません。
そこには、快適な住空間を実現する上で考慮しなけばならない幾つかのポイントがあります。
このコラムでは、そのポイントを数回に分けて紹介して行きたいと思います。